小さくても豊かなお家
キュービックホームの宇京です。
ブログ中断中に夏も過ぎ、すっかり秋の空気に変わってしまいました。
先日は娘の中学校の運動会がありました。
平日に行われたので応援には行けなかったのですが、初めての中学校の運動会、小学校よりスケールも大きくなって楽しかったようです。
突然ですが、9坪の家を皆さんご存じですか?
それは建築家の増沢 洵(ますざわまこと)さんの自邸です。
もちろんご自身で設計され、「最小限住居」と謳われる作品です。
私の好きな住宅建築の一つです。
昭和27年に建築された小さいスケールのお家。
構造はいたってシンプルに計画され、プランは3間×3間の正方形です。
建坪がたった9坪。4人の親子が住んでいました。
でもその実は、大胆に3坪の吹抜けのある2階建ての空間構成で、南側には玄関としても利用する大きな開口部。
1階に寝室、2階にプライベートスペースがありました。トイレ、キッチン、当時は珍しかった内風呂もコンパクトに納めています。
なぜ今回、9坪の家を紹介したかと言うと、お客様とお話をさせていただく中で、
「30坪の家ってせまくないですか?」
「狭いのに吹き抜けやビルトインガレージってもったいなくないですか?」
と言われたことがあり、
「人それぞれですよね~」
なんて答えにもならない回答をしてしまいました。
お家づくりはご家族が満足できる家にすることが最終目標であり、その為に私たちは色々なアドバイスをします。
当然間取りや部屋の大きさも大事ですが、まず最小を知り、そこから必要なものを肉付けしていくこともお勧めしたりもしています。
家族構成や、収納するもの、今の生活と今後想像される変化など色々考えたうえで、最良のプランをご提案できるよう心がけています。
でも、その中でも無駄なことと思えるものを一つでも取り入れると生活は豊かになるとお話もしています。
「9坪の家」も吹き抜けに床を張れば延べ面積18坪(60㎡)になります。
でも、1階、2階の空間が分断されてしまいます。
無駄な空間である吹き抜けがあると立体的に二つの空間がつながり、一体感が生まれます。1階にいても2階にいる家族の気配を感じられます。
無駄が無駄ではなく、家族が楽しく暮らせる仕掛けとなるのです。
最近はこの小さなお家が見直され、何10年も経て現代版にリメイクされています。
その条件はやはり「吹き抜け」「南側の大きな窓」そして「建坪9坪であること」。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とも言いますが、 小さなお家でも最終的には自分達家族にとって最高の家になればいいのです。
キュービックホーム 宇京
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