もっと小さい家 小屋
毎日厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか…
と、真冬定番のあいさつをしたいところですが、今年は記録的な暖冬。ただ、インフルエンザだけが毎年変わらず猛威をふるっています。皆様はお変わりありませんか?
最近は「タイニーハウス」なんてものが日本でも広がりを見せつつあるとか。
「タイニーハウス」とは、まずアメリカでブームとなりました。
日本語にすると「小さな家」という意味です。
少し前にはやった「断捨離」を経て、「ミニマム」な生活に憧れて、自分のライフスタイルを簡潔にしたい、ならば家も最小限の小さい家でいいのではないか。そう考える人が増えているようです。
東京ではイベントも開催されたりと、注目を集めています。
とは言え、我が家もタイニーハウスのようなものですが…
そもそも、秘密基地みたいな小さな家が大好きなのです。
先日、日本の戦後活躍した建築家増沢洵氏の自邸「最小限住宅」(9坪ハウス)を紹介しました。
これも言わばタイニーハウスのようなものですが、国立西洋美術館などを手掛けた世界的建築家「ル・コルビュジエ」も小さい小屋を残しています。
「カップ・マルタンの休暇小屋」と呼ばれるル・コルビュジエ自身が設計した海辺の小さな別荘がそれです。
1951年に奥さんへのプレゼントとして建てられ、1965年にこの休暇小屋で過ごしているとき、近くの海岸で心臓発作で亡くなりました。この小さな別荘が世界的巨匠の終の棲家となったわけです。
数々の名作を残した一方、自らの住環境は意外なほど質素な小屋でした。
その「休暇小屋」は縦横366センチ四方の部屋。日本的に言えば8畳間ほどの大きさです。その中に極小のトイレ。その手前に木製ベッド、食堂があり、台所や浴室はなく、風呂は外にある簡易シャワーで済ませていたようです。
休暇小屋は、コルビュジエが人間にとって「極小の住居空間」とはどのようなものかを構想し、実験的に作ったものということです。
集合住宅や美術館など、巨大な建築を多く手掛けた20世紀を代表する建築家が「人が住む家」のあるべき姿を考え抜いた結果が、この小屋だったというのは実に面白いと思いませんか。
日本にも、人が生活するのに最低限必要なスペースは『立って半畳、寝て一畳』、という考え方があります。それに似た発想がコルビュジエにもあったのですかね。
キュービックホーム 宇京