2019.11.20
エイジングが楽しめる建材、道具、長年安心の建材・工法
土塀(どべい)
久文です。
先般の小田原城散策の折、
ご覧のような土塀(どべい)の構造模型を見つけました。
この城中にある銅門(あかがねもん)の土塀だそうです。
この土塀、まずは芯となる竹を格子状に組み上げ、
筋肉となる 荒壁(あらかべ)を作り、
斑直し(むらなおし)で凹んだところを平らにし、
さらに平らにするために 大直し(おおなおし)を行い、
さらに、中塗り(なかぬり)で平滑度を高め、
いよいよ最終、漆喰(しっくい)の上塗りのその前には、
砂漆喰(すなしっくい)といわれるご丁寧なお仕事がなされておりました。
さらに瓦を下から支える部分にも、
芯となる木材には麻縄で下地を整え、その上に荒壁を作り、
同様の工程(もしくは、中間の数工程を省き)を経て、
いよいよ最後の漆喰の上塗りへと到達するのでありましょう。
戦時における防衛施設の最前線(堀の次)となるこの土塀、
この土塀に求められるその機能の最たるものとは、
まずは、風雨に強く、敵からの少々のアタックには負けない堅牢なモノであること、
そして、火矢にも負けない防火性!なのでしょう。
(。-`ω-) う、う~ん…、小田原城の土塀や畏るべし!
(*^_^*) はい
※漆喰(しっくい:消石灰にふのりなどの粘着性物質と麻糸などの繊維を加え、水でよく練り合わせたもの)
※砂漆喰(すなしっくい:漆喰に砂を混ぜて強度を増すとともに、ひび割れしやすい漆喰の調湿下地にすることで上塗りを内側から保護する役割となる)