究極のワンルーム住宅
こんにちは。キュービックホーム・宇京です。
一向にコロナウイルス渦の収まる気配がないようです。皆様、不要不急の外出を控えられますよう、また手洗い、うがいなどの感染予防に努められますようお願いします。
菊竹清訓という有名な建築家がいました。亡くなられて9年が経ちます。
島根県内もたくさんの建築作品があり、田辺美術館や県立図書館、県立武道場、などがあり、一番皆さんがご存じだとおもうのは「県立美術館」ですかね。
でも、私が一番好きだったのは、出雲大社の境内に立っていた「庁の舎」でした。
したの言うのは、数年前に取り壊され、今は新しい建物に建て替わっているからです。
上の写真を見られて「あー」と思われる方も多いかと思います。
先代「庁の舎」は1963年(昭和38年)に建築されました。それまでに建っていた庁舎が火災で焼失したので復興したものです。そのため、復興に際しては、耐火、耐震、を考えて鉄筋コンクリート構造が採用されました。
外観デザインには、「刈り取った稲束を掛けて干しておく”はでば”の形」を取り入れたとのことです。照明には、著名な芸術家イサム・ノグチの特注品が使われていたり、伝統と当時最新デザインを取り入れ、調和のとれた建物でした。
当然ながら自邸もデザインしています。
「スカイハウス」と名付けられたその建物は1958年に建てられました。
建築家のデザインらしくかなりトリッキーですね。斜面地に4本の壁柱によって浮かばせたような、ピロティの上に2階が浮いたような独特の外観となっています。
2階は四間四方(約10m)の空間に、居間、食堂、寝室、水回りを一つの空間に配置し、当時としても独特の構成となっています。更には壁柱と呼ばれる構造の柱を一辺の真ん中に配置し、四隅を解放することにより、視覚的にも感覚的にも、空間が広がるような効果を狙ったデザインとなっています。
私はこの平面図を見たときに、バリアフリー住宅としても十分に機能的ではないかと思いました。当然階段しかない2階建てですからバリアありありですが、これが平屋建てだったとしましょう。回遊する動線であったり、家具の配置による申し訳程度の間仕切りですから、状況に応じてどうにでも変化できます。さしずめ、手が届く範囲に何でもあるようなお家と考えられないのかなと。
高齢化社会もさけばれてずいぶん経ちます。リフォームや建て替えでもお年を召したご両親を念頭に置いたデザインを要望されることも多いです。ならばいっそ、自分たちが年をとっても暮らすのに苦労しないお家、っていうのを若いうちから考えてみるのも良いのではないですか。